年頭にあたり2011年の政界を喝破してもらうべく、中曽根康弘・元首相にインタビューを敢行。関係悪化が懸念される中国について話をきいた。
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――中国が日本に対して強硬になったのはなぜか。
中曽根:「経済力、国力の上昇が根本にあります。オリンピック、万博の成功を経て、大国としての存在感とともにナショナリズムが高揚している。それに伴い、主権の維持、沖縄を越えて太平洋の防衛線の堅持についても厳格に対応してきつつある。私はそう見ています」
――国威発揚のデモンストレーションと考えておけばいいのか、それとも領土拡張の動きと警戒すべきか。
中曽根:「領土の野心はないと思います。ただ、領土・領域についての主張が、強力に護持するように変わってきたことは事実でしょう。つまり、具体的に領土がほしいとか、地下資源がどうとかいう問題より、主権を堅持、主張することで、従来の中国とは違う中国に前進しつつあるのでしょう」
※週刊ポスト2011年1月21日号