「給料が減ってる!」
1月25日にはそんな悲鳴が聞こえるかもしれない。2011年は増税の年になる。まず1月からは、16才未満の子供がいる家庭の税金を優遇する「所得税の年少扶養控除」が廃止され、増税分が給料から天引きされるようになる。ファイナンシャルプランナーで家計の見直し相談センターの藤川太さんが解説する。
「増税額は収入や子供の人数が多いほど大きくなります。年収500万円の4人家庭(夫、妻、16才未満の子供2人)で試算すると、年間4万1700円になります」
10月には厚生年金の保険料も引き上げられる。たとえば、年収500万円のサラリーマン家庭では、10月から月額1500円程度の負担増となる。
増税はサラリーマン家庭だけにとどまらない。経済評論家の森永卓郎さんはいう。
「4月からは相続税もアップします。相続税というとお金持ちにしか関係なさそうにみえますが、実は小さな店舗を構える自営業者への影響が大きい。これまでは『5000万円+相続人の数×1000万円』までが非課税で税金がかからない範囲が大きかったため、小さな店舗の場合はほとんど無税で子供に引き継ぐことができました。しかし今後はこの非課税枠が4割縮小。店舗はあっても相続税を支払うだけの現金がないということで、やむなく廃業する自営業者も増えるでしょう」
さらに2012年1月からは、住民税でも年少扶養控除の縮小が始まる。先の4人家族の場合、年間の負担増は約13万円に達する。子ども手当の支給額月1万3000円(3才児未満は月2万円)を加味すると負担は軽減されると思われるが、その分児童手当(月5000~1万円)が廃止されている。そのため、子供が2人いる場合で年間の増税額は最大6万円となる見通しだ。大増税に備えるには、家計の見直しが必須。森永さんは、「携帯代、保険代、ローン返済代」の見直しをすすめている。
「身近な食費や光熱費を節約している人は多くても、この3つの支払額については意外と見落としている人が多い。1度見直すだけで、月数万円節約できることもあります」(森永さん)
※女性セブン2011年1月20・27日号