『釣りバカ日記』シリーズのスーさん役でも活躍した俳優・三國連太郎(87)。稀代の名優が自身の性的コンプレックスをインタビューで明かした。
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――昔の三國さんの本では性的コンプレックスゆえの女性不信の話をされてましたけど、その頃の三國さんといまの三國さんが結びつかないんですよ。いまは奥さんと、すごく幸せな生活を送ってるという話を聞いてるので。
三國:「それは我慢してるからじゃないですか(笑)」
――ダハハハハ! 書けないじゃないですか(笑)。
三國:「まあ、僕は居候ですからね」
――いまもコンプレックスは解消されてはいない、と。
三國:「ええ、いまでもコンプレックスは持ってます」
――1回、性的コンプレックス解消のために手術を決意して病院まで行ったっていう告白もしてましたけど。
三國:「でも痛そうだからね(笑)。全部、それがいけないんじゃないかと思ったんですよ。そのうち女性への恐怖感や性的恐怖感を感じるようになって。だから、いいか悪いかわかりませんが、過去に女性と一緒になってから浮気したっていう記憶は1回しかないんです」
――それは自信がないから踏み込めないわけですか?
三國:「ダメだなということですね。結局はいつもひとり芝居だっていう。だから、ひとり芝居が割とうまいんじゃないかな(笑)」
――なるほど(笑)。
三國:「銭湯に行くのも嫌だったんですよ。湯船を跨ぐとき目の前でバーッとやられて、『ああ……俺はダメなんだ』と思って(笑)。ですから、せめて生活的満足感だけでも与えなきゃいかんと思って、性的遊びはしないわけです。たとえば遊郭行ったりとか、そういうことは一切ないですね。
聞き手■吉田豪
※週刊ポスト2011年1月21日号