この国では政治が合従連衡に明け暮れ、指導力なき歴代政権が「官の一層の肥大化」をもたらして経済と社会の活力を奪い続けた。政治が国の針路を示せないまま、国民は新たな「失われた10年」が始まるかどうかの瀬戸際に立たされている。渡辺喜美・みんなの党代表は、閉塞を打破するには「今こそ『平成の開国』が必要だ」と説く。
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開国すれば「ガラパゴス技術」さえも武器になる。世界はパソコンの次の世代のツールを探している。その面でまさに世界の先を行っているのが日本であり、いまや日本の若者は携帯電話があればパソコンがなくても用が足りる。そのくらい多機能だ。
その多機能携帯の技術を日本市場に閉じ込めておくのではなく、日本発のデファクトスタンダード(事実上の標準)として輸出し、パソコンの次の情報ツールにするような戦略を描くべきだろう。例えばアフリカなど、パソコンが普及していない地域で普及させれば、一気にその国の標準になる。
聞き手/武冨薫(ジャーナリスト)
※SAPIO2011年1月26 日号