人生最大の高価な買い物といえば住宅だが、これに次ぐ大きな買い物が生命保険といわれている。しかし、この生命保険も医療保険と同じく保障を厚くし過ぎているケースが多くみられるという。経済評論家の森永卓郎さんは指摘する。
「子供がいる場合、夫が死亡したときの保障を5000万円以上に設定している家庭は少なくないと思います。しかし現在30~40代の夫婦でも、2000万円程度で充分ともいえます」
たとえば夫婦ともに35才で夫はサラリーマン、妻は専業主婦、子供が2人いる家庭なら、森永さんの試算では次のようになる。
まず夫が死亡したとき、遺された家族が生活するために必要なお金を月額30万円と設定。すると1年間に必要となる生活費は、単純計算で30万円×12か月=360万円。
次に収入を計算すると、“夫が死亡したことによって支給される”遺族年金は、子供が18才になるまで年額およそ200万円。これに加え、妻がパートで年間100万円程度稼ぐことは充分可能だ。
「収支の差額が年間の不足額となりますが、この場合は約60万円。30年間で1800万円ですから、少し余裕をもって2000万円あればいいという計算になるわけです。もちろん子供の教育費などにお金をかけようと考えている場合は、それを含めたうえでの金額を算出するのが望ましいのですが、いまの生活を切り詰めてまで保障を手厚くすることはないでしょう」(森永さん)
※女性セブン2011年1月27日号