少女時代、KARA、BIGBANGなど、日本の音楽業界を席巻するK-POPアイドルたち。彼ら、彼女らは過酷なレッスンを積み、完璧なパフォーマンスを身につけたうえで、デビューするのだという。いったいどんなレッスンが行われているのだろうか…。
ソウル市ソンパ区の中心部・ジャウシルから車で数分の場所に「NYダンススクール」がある。3階建てビルの地下1階にある100坪ほどのダンスフロアでは、ストリートファッションに身を包んだ若者たちがステップを踏む。ここはアイドルを夢見る韓国の若者が集う民間のダンススクールだ。ここで経験を積んでから大手芸能事務所の練習生オーディションに臨む生徒も数多い。
授業は基本的に先生1人に対して生徒12人で行う。そのレッスンは“軍隊並み”といわれるほどだ。ダンス講師のチョ・ヒョクジン先生はこう説明する。
「腕立て伏せを1000回やらせたり、腕を水平に保ったままでボディーウエーブを1000回やらせる厳しい先生もいます。事務所の目標は、できるかぎり練習生期間を短くしてデビューさせることだから、練習はとても濃密です」
決してお兄さん的な存在にはならず、「怖く厳しく教えていた」というチョ先生は“試練”として、走行中の地下鉄の車内や満員の喫茶店で練習生を踊らせることもある。
「すごく踊りがうまいのに、人前に出ると急に踊れなくなる子がいます。その恐怖心を消すため、ひとりで地下鉄や喫茶店で踊らせて、私は隠れて見ている。これは効果がありますよ。生徒たちは最初は嫌がるけど、実際にやることで物怖じしなくなります。素質は誰にでもあるかもしれませんが、それを開花させることが大事なんです」(チョ先生)
“エクササイズ系”のレッスンが終わると、夜は勉強。海外進出をにらんで中国語や英語、日本語などの語学訓練が夜11時まで続く。
※女性セブン2011年1月20・27日号