パソコンやネットが苦手という人こそぜひ読んでほしい。世界の総人口69億人のうちすでに6億人近くが利用している「フェイスブック」というサービスがある。これを利用することで、人間関係や仕事のあり方が大きく変わる可能性があるのだ。ITジャーナリストの佐々木俊尚氏が解説する。
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日本ではまだ利用者数が約200万人程度だが、日に5万人ずつのペースで増えているともいう。
フェイスブックはどんな可能性を秘めているのか。佐々木氏が解説する。
「フェイスブックの最大の特徴は実名ベースであることです。日本のミクシィやグリーなどは匿名が原則なので、現実社会の友人・知人を除けば、コミュニケーションしている相手がどこの誰かわからないのが普通です。しかし、フェイスブックの場合は実名や年齢、性別、職歴・学歴や細かな趣味嗜好までを公開して登録します。だから、無責任な発言や行動、他人への誹謗中傷などはできなくなり、大人の社会が形成される。実名公開だからビジネスにも利用できるわけです。
この1月15日からフェイスブックの立ち上げを描いた映画『ソーシャルネットワーク』が公開されますが、フェイスブックは、創設者のザッカーバーグ氏が在籍していたハーバード大学の学生交流のため、2003年、ネット上に同級生名簿を作成するところからスタートしました。
実名と顔の公開が原則のため、学生は『これで彼女ができるぜ』と喜んで続々と参加したのです。フェイスブックは徐々にアイビーリーグの大学に広まり、2006年から一般に公開されましたが、名門校の学生が集まっているので、企業がリクルートに利用するようになった。つまり、高尚かどうかは別にして『彼氏や彼女ができる』『仕事がみつかる』という実利が得られるので、爆発的に普及してきたのです」
※週刊ポスト2011年1月28日号