多くのテレビドラマ、映画、舞台で活躍した俳優・細川俊之さんが1月14日、頭部打撲による急性硬膜下血腫のため死去した。70才だった。そんな細川さんの16年前のコメントを紹介。俳優として健康管理の重要性を語っていた。(女性セブン1995年1月12日号より)
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俳優・細川俊之が東京・青山の青山劇場でのミュージカル公演中に倒れ、入院したのは1994年1月9日。そして3日後には復帰の舞台に立った。が、またもや舞台の上で2度目のダウン。「続行は無理」との判断を受け、急遽代役を岡田真澄に決定したのは1994年1月12日のこと。以後細川は自宅療養を続けていた。原因については、当時、細川の所属事務所で次のように説明していた。
「原因は、病気とかいうものではありませんよ。単に疲労が重なったために起きたもので、診断書にも『疲弊状態』と書かれているだけです」
ごくたまに打ち合わせなどをすることこそあったものの、ひたすら体を休める日々を過ごし、8月に舞台復帰。半年ぶりに、『パパ映画に出して』に出演し、半月にわたる東京公演と、1か月にわたる地方公演を無事にこなした。
「この公演で本人も健康に自信をもったようですし、私たち事務所のものも一安心しましたよ。それから仕事も以前どおりこなしているし、生活も以前とまったく変わっていませんね」(細川の所属事務所)
ちなみに、1995年はNHK大河ドラマへの出演が決まっており、すでに収録も始まっている。NHKのチーフプロデューサー・高沢裕之さんは、次のようにいう。
「健康面に関しては、すでに舞台などもこなし、ご本人も自信をもっているようですし、私の方としてもまったく心配していません」
細川自身、病気のためとはいえ舞台を途中降板したという事実はかなり悔しかったようで、「もう二度とあんなことは起こしたくない。そのためには、身体は自分でしっかり管理します」
そういって、食事や睡眠時間などにも、細かく気を配る毎日だったのだ。