タイガーマスク現象 児童養護施設の53%の児童に虐待経験

タイガーマスク=伊達直人名義での寄付が相次ぐ児童養護施設。この「児童養護施設」とは、さまざまな家庭の事情によって、家族と暮らすことのできない子供たちが生活する施設のこと。1947年に施行された児童福祉法によって制度が整えられ、現在、全国に579か所あり、18才未満の約3万人の子供たちが生活している。

子供たちが施設にはいる理由は、以前は“貧困”が最も多かったが、最近では“虐待”が最大の理由だ。全国児童養護施設協議会(全養協)によると、入所児童のうち虐待を受けた経験がある子供の割合は2008年の調査で53%に達している。

ランドセルのプレゼントを受けた東京・二葉学園の施設長で、全養協の制度政策部長・武藤素明施設長がいう。

「うちの場合、親が行方不明だったり死別した子は、ほとんどいない。昨年の4月1日現在で、約6割が虐待を主な理由に入所していて、この数字は年々増加傾向にあるんです」

子供たちを養護施設に入れたり、里親に預けたりする判断は、各地域の児童相談所が行うが、相談員のひとりはこう語る。

「近年の離婚率の上昇によるシングルマザーの増加で、子育てに自信がない、育てられない、という母親が子供を施設に預けるケースも増えています。虐待とはいいませんが、親の責任放棄には違いありません」

※女性セブン2011年2月3日号

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