年末年始にかけて、本格的なインフルエンザシーズンが到来。日本臨床内科医会でインフルエンザの研究をしている医師の廣津伸夫さんはこう話す。
「この冬のインフルエンザの流行は、シーズン初めに猛威をふるった『Aホンコン型』から『新型』に移行中です。現時点では『新型』が大流行していますが、春先には『B型』が流行るというのはここ数年の傾向になってきています」
単にインフルエンザといっても、実は4種類ある。どんな違いがあるのが、ここで紹介する。
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【B型】
B型は人間にしか感染しないのが特徴。ウイルスが変異しにくく、一度かかると、2度目の感染の確率は低いといわれている。高熱が出ないので治療が遅れがちで、感染が広がりやすい。
【新型】
メキシコが発生源といわれ、豚インフルエンザが変異したもの。比較的症状は軽めだが、免疫がなかったため、2009~2010年にかけて大流行し、この冬も急拡大中。
【Aソ連型】
1970年代、現ロシアで発生した“ソ連風邪”がルーツ。2008~2009年の冬に流行したが、新型インフルエンザの出現後はあまり症例が見られなくなっている。
【Aホンコン型】
香港が発祥といわれ、繁殖したウイルス。もっとも感染力が強く、38度以上の高熱が出て肺炎を併発することも。なお、A型のほうがB型より遺伝子構造が複雑で、感染力が高い。
※女性セブン2011年2月3日号