1月12日に東京・品川区の自宅の居間で転倒し、14日、急性硬膜下血腫のために亡くなった俳優の細川俊之さん(享年70)。突然の訃報だったが、それよりも驚くべきはその身の処し方だった。ある芸能リポーターはこう話す。
「細川さんは生前に献体を希望していて、お通夜や葬儀も行われませんでした。ご遺族もその遺志に同意していて、ご遺体の返還は1年後、火葬も終えて遺骨になってからだそうです」
細川さんが選択した献体とは、大学の医学部や歯学部で行われる人体解剖学実習の教材として自分の遺体を無条件、無報酬で提供することをいう。篤志解剖全国連合会・常任理事、順天堂大学医学部解剖学・生体構造科学の坂井建雄教授はこう説明する。
「献体には事前の登録が必要です。申し込み先は大学病院ではなく、献体の会である献体篤志家団体または医科および歯科の大学。登録には必ず家族の同意を求め、同意書に署名・捺印をしてもらう必要があります。ただこの“家族”が誰にあたるのかは規定がありません。生前同意を得ていたとしても、死後遺族が納得して手配していただけなければ、遺体を提供することはできないんです。同意書には署名・捺印したものの、提供を取りやめるというご遺族も実際にいらっしゃいました」
※女性セブン2011年2月3日号