伊達直人の名で児童養護施設への寄付が相次ぐ「タイガーマスク現象」。しかし、このタイガーマスクが元は悪役だったことをご存じだろうか?
『タイガーマスク』は、故・梶原一騎さん(享年50)原作、故・辻なおきさん(享年62)作画の大ヒットコミック。月刊少年誌『ぼくら』→週刊少年マガジンで1968年1月~1971年12月まで連載され、1969年10月テレビでアニメ化されると、全国の子供たちを釘づけにした。
児童養護施設「ちびっこハウス」出身で孤児の主人公・伊達直人は、強くなければ生きていけないという思いから、レスラーの道へ進む。悪役レスラーの養成機関『虎の穴』で修業を積み、米国で覆面レスラー「タイガーマスク」としてデビュー。冷酷な反則ファイトで恐れられた。
帰国後、ちびっこハウスの子供たちが試合の観戦に来たことをきっかけに、「残虐なファイトは見せられない」と、反則技を封印して悪役から正統派へと転身。さらに、施設が多額の借金を抱えていることを知ると、本来、『虎の穴』に上納すべきファイトマネーまで寄付。このため『虎の穴』からは裏切り者とみなされ、次々に送られる刺客と、リングの上で命懸けの戦いを続けることになる。
原作コミックの最終回で伊達は、自分がタイガーマスクであることを隠したまま事故死。アニメではリング上でマスクをはがされ、正体を暴かれた後、海外へ旅立っていく。
※女性セブン2011年2月3日号