『篤姫』の脚本家である田渕久美子さんとチーフプロデューサー、屋敷陽太郎さんが手がけるNHK大河ドラマ『江~姫たちの戦国~』が1月9日にスタートした。初回の視聴率は21.7%(ビデオリサーチ調べ)と『篤姫』の20.3%を上回り、第2回は22.1%とさらに数字は上昇した。
琵琶湖を望む北近江の国。その城主・浅井長政(時任三郎)と、織田信長(豊川悦司)の実の妹である市(鈴木保奈美)との間に産まれた三姉妹の末っ子が、物語の主人公である江だ。
浅井家の三姉妹、茶々(宮沢りえ)、初(水川あさみ)、そして、江。のちに豊臣秀吉(岸谷五朗)の側室になる茶々は、これまでもたびたびドラマや映画に登場してきたが、江は主要人物として表舞台に現れることはなかった隠れた存在だ。そんな江を、なぜいまクローズアップして、大河の主役にもってきたのだろうか。
江は、長政と信長の妹、市の間に生まれた三女。信長の姪で、秀吉は義理の兄となる。生涯3度の結婚をしているが、その3番目の夫は、徳川家康(北大路欣也)の息子、第2代将軍の秀忠(向井理)だ。戦国時代の三英傑すべてと、伯父、義兄、義父という血縁関係にある希少な人物だ。田渕さんはこう話す。
「最初、江のお話をいただいたときは、“そのかた、どなたですか”と聞き返したくらいで、何も知らなかった。でも調べれば調べるほど、江という人物に興味がわきました。信長、秀吉、家康とここまで密接な関係を持った江は、いわば、セレブ中のセレブ。しかし、それは荒波をもろにかぶるということでもある。戦国を語るのにこんなにふさわしい女性はいないと思いました」
※女性セブン2011年2月3日号