就職氷河期のまっただ中で、どうやって自分の能力をアピールしたらいいのか悩む学生は少なくない。そんな人に人事コンサルタントの海老原嗣生氏がとっておきのアドバイスをする。
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どんな業種の会社でも受かる黄金の人材像というのは存在しない。大手メーカーと都銀では、求められる人材は異なるのだ。
一般論だが、メーカーでは口下手でもPDCAサイクル(plan=計画、do=実行、check=評価、act=改善)を実行できる人が求められ、銀行では入社後は金融の勉強の連続なので、実直で情に流されないタイプが求められる。
やみくもに自分をアピールしても意味はない。相手が求めている能力を的確にアピールできれば、目にかなう可能性は高くなる。
にもかかわらず、多くのマスコミ、就職指導者たちは、「自律的で問題解決ができ……」、と当世合格学生気風を高らかに語る。これが大きな間違いだろう。
結局企業は、「いい人」を欲しいのではなく、自社に「合う人」が欲しい。見ているポイントは「良い悪い」ではなく「合う合わない」なのだ。そのことをもっと知っておくべきだろう。
※SAPIO2011年1月26日号