年末年始にかけて、本格的なインフルエンザシーズンが到来。その傾向と対策を知るため、日本臨床内科医会でインフルエンザの研究をしている医師の廣津伸夫さんに、インフルエンザの主な感染経路や、初期症状などを聞いた。
「インフルエンザは人から人への飛沫感染がほとんど。感染者がせきやくしゃみでウイルスをまき散らし、周囲1~2メートルにいる人が吸い込むことでうつります。感染しても1~2日の潜伏期間中は、発熱などの症状が出ないこともあるため、その間に潜伏期間にある人と接触し、うつってしまうことも多いんです。
ウイルスがのどや鼻など気道粘膜に吸着したあと増殖し、粘膜細胞を破壊しはじめると、インフルエンザ特有の高熱や全身のだるさといった症状があらわれます。普通の細菌などによる風邪と違うのは、ポーンと38度の熱が出たり、頭痛や体の痛みがあらわれたりといった急激な体調の変化。これは、インフルエンザウイルスの増殖のスピードによるものです。一度宿主の細胞に侵入すると、たった1個のウイルスが、8時間後に100個、16時間後には1万個、24時間後には100万個に膨れ上がり、48時間後に最大になるといわれています。放置するとウイルスがどんどん増殖するため、症状が出たら、なるべく早く薬を使ってウイルスの増殖を抑える必要があります」
※女性セブン2011年2月3日号