AKB48の「ヒットの法則」や「成功するビジネスモデル」は、今後どう発展されていくのか。経済アナリストであり、秋葉原をこよなく愛する森永卓郎氏が予測する。
* * *
今後、秋元氏はAKB48を世界にフォーマット販売する計画を持っているとも聞く。企画のノウハウや演出方法をパッケージで輸出して、ライセンス料を受け取るという手法である。
「制服着用」「グループ名に48とつける」などをマニュアル化し、そのパッケージを世界に売っていくということだ。私はこのよく考えられたビジネスモデルが、海外でも通用する可能性は高いと考えている。
少なくとも「かわいい」という価値観を理解するアジア圏では、成功を収めることができるだろう。2010 年、AKB48はシンガポールやマカオといったアジアツアーも行なっており、遠くない日に「上海48」のようなグループに出会うことができるかもしれない。
AKB48という仕組みには不況下でヒットを飛ばすビジネスヒントが隠されている。とはいえ、機械的に仕組みだけを頭に入れることは難しい。CDを1枚買う、次の選抜総選挙で1票を投じる、など不況下の熱狂の中に、身を投じてこそ、理解できる何かがあるのではないか。
※SAPIO2011年1月26日号