日本経済が陥ったデフレスパイラルから脱却するには日本国内で投資や消費を増やす必要がある。
日本での投資・消費の「財源」として見逃せないのが海外マネーである。東京・秋葉原の電気街には中国人観光客が大挙して訪れており、いまや「売り上げの2~3割を占める」(大手量販店)という状態だ。
経済ジャーナリストの小泉深氏はこう語る。
「寂れた別荘地や温泉地など、日本人が目もくれない土地を中国人富裕層が争うように買い漁っている。いわばガラクタが宝石に化けているのですから、こうした需要のミスマッチを解消してくれる海外マネーは積極的に利用すべきでしょう。安全保障や治安面での対策はもちろん必要ですが、危険だから売らないというのはビジネスチャンスを自ら放棄している。“日本の資産を外国人に売り渡すな”という狭量な考えを捨て、カネ持ち外国人に国富を増大に導く手助けをさせるべきです」
「ニューバブル」を発生させるために必要なのは、政治の知恵と発想の転換なのである。
※週刊ポスト2011年2月4日号