ともかく育毛に関しては一家言あるのが『飛び込めっ! 男の科学くん』(ぶんか社)著者の川口友万氏。自らのM字脱毛を生かして、あらゆる育毛剤を経験した男は、1本の育毛剤にどんな評価を下すのか。以下、川口氏のレポートだ。
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私は育毛剤を信用してない。育毛剤の謳い文句は、毛穴から栄養を流しこんで髪を育てる。私は笑う。髪と野菜を間違えてないか? 「M-1」も宣伝にカイワレの写真だ。カイワレが育とうが枯れようが髪と関係ないだろう。さらに毛穴の“皮脂を除去し、大掃除”の宣伝文句に、ホームレスを見ろ、洗わなくても髪は抜けない、と小バカにした。
しかし私が間違っていた。
「M-1」を製造販売しているサラヴィオ化粧品、その本業はバイオである。カニの甲羅から抽出されるキトサンは食品添加物や医薬品の原料だ。普通は塩酸などで甲羅を溶かして抽出する。同社では化学薬品を使わず、酵素で分解、抽出している。同社が扱う酵素はカニの甲羅さえ分解するのだ。その酵素を配合したのが「M-1」だ。
さらにもう一つ、細胞を元気にする酵素が作り出した活性低分子群も含まれている。細胞の環境を整え、毛母細胞を復活させる。「市販の育毛剤が効かないのは、毛母細胞が弱ったままで栄養を入れようとするからです。いくら栄養を入れても細胞が吸収できないと意味がない」(同社・濱田拓也社長)
毛穴の掃除は、この酵素群を毛母細胞のある毛乳頭まで届けるために行うのだ。酵素の作用は細胞の種類を問わない。だからカイワレにM-1を与えるとその成長が対照群の1.5倍も早い。外的ストレスを酵素が除去した結果、細胞の分裂速度が上がり、成長が早まったのだ。
私は日に何度も「M-1」を噴霧している。「M-1」は水のようでにおいもなくさらさらだ。だから髪をかき分け、頭皮に直接吹きかける。ボツボツがなくなれば、酵素の力は本物だ。使い始めて1週間、錯覚でなければ、ボツボツが小さくなっている。
結論はまだ少し先だが、今日も私は「M-1」を頭に吹きつけている。
※週刊ポスト2011年2月4日号