国内

菅首相の「小沢切り」は小泉元総理の「郵政解散」手法を意識

 与謝野馨氏が入閣したことにより、氏の存在は「反小沢」さえ揺るがす火種になっている。内閣改造後、菅首相は再び小沢切りに向けて攻勢に出た。
 
 仙谷由人氏は腹心の安住国対委員長を通じ、衆院の全委員会の人員を差し替える方針を打ち出して、各議員の希望を調査するためのペーパーを配布した。だが、そこには小沢氏の証人喚問を決める予算委員会と政治倫理審査会を希望する欄が初めからなかった。
 
 親小沢派の議員が国会招致に抵抗しないように、関連する委員会から排除する狙いがある。さらに菅首相は岡崎トミ子氏ら7人を常任幹事会メンバーに追加し、小沢氏が強制起訴されれば、「離党勧告」を決議する構えだ。「小沢が離党勧告を無視した場合、除名しかない」仙谷氏も周辺にそう語っている。
 
 だが、手段は同じでも菅、仙谷両氏の目的は違う。菅首相が意識しているのは小泉首相の郵政解散の手法だ。小沢切りで支持率を回復させ、野党や党内の小沢支持派の抵抗で政権運営が行き詰まれば「消費税と社会保障改革」を争点に、一か八かの解散・総選挙に賭ける。郵政解散の時は、大メディアに熱狂的に報じられた小泉陣営が完勝した。その手法を真似て、菅首相は大メディアを味方につけておきたい。
 
 それに対して、仙谷氏は小沢氏を離党に追い詰めることで党内の権力を一手に掌握しようとしているが、菅首相の消費税増税や政権を失いかねない危険な解散に付き合う気はない。いつ「菅降ろし」に出るかのタイミングをはかっている。

※週刊ポスト2011年2月4日号

関連キーワード

トピックス

歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
胴回りにコルセットを巻いて病院に到着した豊川悦司(2024年11月中旬)
《鎮痛剤も効かないほど…》豊川悦司、腰痛悪化で極秘手術 現在は家族のもとでリハビリ生活「愛娘との時間を充実させたい」父親としての思いも
女性セブン
紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
大村崑氏
九州場所を連日観戦の93歳・大村崑さん「溜席のSNS注目度」「女性客の多さ」に驚きを告白 盛り上がる館内の“若貴ブーム”の頃との違いを分析
NEWSポストセブン
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン