国内

上杉隆氏が推薦「NHK会長にふさわしいのは池上彰氏」

 かつてNHKで働いたこともあるジャーナリスト・上杉隆氏は、NHK会長人事をめぐる騒動をうけて、こう書いている。

 * * *
 アナログ停波の期限となる今年、いよいよ「当初の予定通りの地デジ完全移行は難しい」との声が大きくなってきた。それでもNHKは、「延期は想定していない。完全移行に向けてまっすぐ進む以外の選択肢はない」といい張る(1月6日、NHK大阪放送局の堂元光局長会見)。本来ならば、『電波利権』の著者で元NHK職員の池田信夫氏や私が、問題点を指摘した時点で、地デジ政策の破綻を認めるべきだったのではないか。それはNHKの内部にいた者だったら、誰もが気づいていたはずだ。

 だからこそ、新会長には、こうした内部の声をすくい上げるような人材が不可欠だったのではないか。地デジ見直しを含めたNHK改革のためには、新会長は「一視聴者」ではなく、NHKと政治の関係も含め「内部をよく知る人物」でなければならない。

 そこで私がNHK会長に推薦したいのは、他ならぬ元NHKの池上彰氏である。報道局出身で内情にも詳しく、かつ政治と癒着しない姿勢を示している彼には、加えて世論の後押しを力に改革を進められるという期待もある。前出の池田信夫氏もNHK出身で適任だが、反NHK色があるので内部の抵抗が強いかもしれない。

 これは、決して冗談ではない。池上氏ほどの人物でなければ、いまのNHKを立て直すことは難しいのだ。

 地デジ推進派のある族議員は、取材していた05年頃、ひそかに「地デジは景気対策用の公共事業」と断言し、こう続けた。

「2011年7月時点の大臣が、責任取って辞任するしかないんじゃないかな」

 それでもNHKは政治と癒着して放送利権の温存に必死になっている。その事実すら知らない人物が会長になった今回のNHK 会長人事は極めて残念だ。

※週刊ポスト2011年2月4日号

関連記事

トピックス

紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
大村崑氏
九州場所を連日観戦の93歳・大村崑さん「溜席のSNS注目度」「女性客の多さ」に驚きを告白 盛り上がる館内の“若貴ブーム”の頃との違いを分析
NEWSポストセブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
佐々木朗希のメジャー挑戦を球界OBはどう見るか(時事通信フォト)
《これでいいのか?》佐々木朗希のメジャー挑戦「モヤモヤが残る」「いないほうがチームにプラス」「腰掛けの見本」…球界OBたちの手厳しい本音
週刊ポスト
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン