就職「新氷河期」なのに危機感ゼロ。マナーも知性も常識も失った、最新の仰天学生の言動を大学ジャーナリスト・石渡嶺司氏がレポートする。
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この10年ほど、大学教員に対する講義評価が強まったことから学生の出席率を上げるため、出席点を重視する講義が増えている。だから、学生は講義には一応出席する。しかし、出席しても講義を真剣に聞かないから、それはそれでタチが悪い。
これも昔と違うが、今は学内にネット環境が整っている。無線LANが整備された教室で、講義とは関係のないサイトを見て暇を潰す、「教室のネットカフェ化」は当たり前。揚げ句に出席を取る直前になると、教室に来ていない友人にメールなどで「そろそろ出席取りそう」と連絡を回す。
「そもそも基礎知識がないから講義を進めたくても基礎の説明だけで終わってしまうことが多い」こう憤る教員も少なくない。
「為替を『タメガエ』と読んだ学生がいて、当然意味がわかっていない。一応、経済学部ですよ。どうしようかと頭を抱えた」(経済学部教員)
「3000円の商品、600円引きで販売。割引率は? と聞いたところ、わからないと答える学生が続出。そんな私の担当科目は統計学です」(社会学部教員)
数学というより、簡単な計算問題もできない。
「5+3×2をみんな『16』と答えます……。掛け算を先に計算する、というルールを忘れた学生がうちの大学では多数派」(私立女子大教員)
※SAPIO2011年2月9日・16日号