確定申告のシーズンがやってきた。サラリーマン家庭だから関係ない、なんて思っている人はちょっと待った。医療費がかかった、エコリフォームをした…そんなことでも、実はお金を取り戻せる。不況のなか、しっかり家計のマイナスを挽回する実例を見てみよう。
ひとつめは「寄付」だ。12月から1月にかけ流行した“タイガーマスク”運動は寄付行為の一環。しかし、匿名でランドセルを贈っても確定申告では1円も得をしないという。
税理士の菊池美菜さんはこういう。
「寄付金控除を申告するには宛名入りの領収書が必要です。つまり寄付の際には実名を名乗らなければなりません。匿名の“タイガーマスク”では控除を受けられないのです。また、モノではなく金銭を寄付しないと控除の対象にはなりません」
<申告に必要なもの> ・確定申告書 ・印鑑 ・銀行などの口座番号 ・寄付金の領収書
続いては「医療」だが、医療費と認められるかどうかのポイントは「治療」がキーワードだ。
「治療のために使ったお金はほとんど医療費として認められます。例えばドラッグストアで購入した風邪薬や絆創膏なども治療にあたるので医療費として認められます」(菊池さん)
レーシックによる近視矯正手術や医師の指導による温泉療法にかかった費用もOK。一方、インフルエンザの予防接種や健康診断は「治療」ではなく「予防」となるので対象外。ビタミン剤やうがい薬の購入費も医療費として認められない。
医療費控除の申告をする際には、医療費を支払った証拠となる領収書やレシートが必要となる。確定申告では前年の1月1日から12月31日までの領収書やレシートが対象となるので、いまの時期から家の中に医療費専用のレシート入れの箱を作るなどして、来年の確定申告のために備えておきたい。
<申告に必要なもの> ・確定申告書 ・印鑑・銀行などの口座番号 ・源泉徴収票 ・医療費の領収書 ・通院などにかかった交通費のメモ
最後は「住宅関連」の費用だが、耐震改修やバリアフリー工事もOK。10年間で最大500万円が戻ってくる住宅ローン控除は一般的によく知られているが、リフォーム工事をした場合にも控除が適用される。
「工事費が30万円以上などの条件をクリアすれば、工事金額の10%(最高20万円)を取り戻すことができます。窓や床、壁の断熱工事、またソーラーパネルの取りつけといった省エネ改修工事のほか、耐震改修工事やバリアフリー改修工事を行った場合もこれに該当します」(菊池さん)
<申告に必要なもの> ・確定申告書 ・印鑑 ・銀行などの口座番号 ・増改築工事証明書 ・住宅特定改修特別税額控除額の計算明細書(管轄の税務署で取得) ・登記簿謄本 ・工事請負契約書 ・住民票
※女性セブン2011年2月10日号