ライフ

魯迅が通った店の肉まんはカレーライスの1.7倍高かった

お饅頭セット

「今日のお昼は中華定食にしよう!」ということで、雑誌『アリガット』誌元編集長の小川フミオ氏がセレクトした、『維新號(いしんごう) 銀座本店』の「お饅頭セット」を紹介する。

 * * *
 中国料理の昼定食は、新橋や銀座のような激戦区では日替わりがあたり前。でも、いつでも待っていてくれるのが、『維新號』銀座本店のお饅頭セットだ。

 維新號は、高級肉まんでは古い歴史を持つ店だ。1947年、50円で肉まんを販売したのが最初。カレーライスの相場が30円だったというから、いかに高価だったかわかる。上質の食材を使い、当初は価格ゆえに敬遠されても、人気を呼ぶまでがんばり通した。

 それだけにこだわりは強い。銀座本店の饅頭の生地は手ごね。「1個めと200個めが同じ味になるように、生地専門の職人が朝から作っています」と店では話す。ふわっとしているがコシがある。

 肉まんのあんは豚肩ロースの挽き肉に干し貝柱など。刻みキャベツを入れて甘みを出しているのも特徴だ。

 そばは週替わり。10種類以上のバリエーションで、シコシコ歯ごたえのある麺と、塩味抑えめで味わい深いスープは本当にうまいと思う。小皿はそばに合わせて変わる。ランチだけのはずが、「もう終わったの?」と残念がる客が多く、いまは5時まで食べられる。

■『維新號 銀座本店』の「お饅頭セット」 1050円

【住所】東京都中央区銀座8-7-22
【営業時間】11時15分~21時半(LO)、土日祝は11時半~21時(LO)
【定休日】なし
【カード】可

 写真のセットは、肉まん、ザーサイそば、そして揚げ焼売。デザートとしてライチ(果物)がつく。饅頭はほかに、あんまん、雪菜(からし菜)まん、それにお店のルーツである寧波(上海の南)名物のごまあんを使った胡麻まんと、全部で4種類から選ぶ。維新號のルーツは1899(明治32)年、現在の千代田区九段下に。日本に留学していた魯迅や周恩来も通ったという。

撮影■岩本朗

※週刊ポスト2011年2月4日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

渡邊渚さんの最新インタビュー
元フジテレビアナ・渡邊渚さん最新インタビュー 激動の日々を乗り越えて「少し落ち着いてきました」、連載エッセイも再開予定で「女性ファンが増えたことが嬉しい」
週刊ポスト
裏アカ騒動、その代償は大きかった
《まじで早く辞めてくんねえかな》モー娘。北川莉央“裏アカ流出騒動” 同じ騒ぎ起こした先輩アイドルと同じ「ソロの道」歩むか
NEWSポストセブン
「地毛なのか?」尹錫悦・前大統領罷免で迎える韓国大統領選 与党の候補者たちが泥沼の舌戦 「シークレットブーツか」「眉毛をアートメークしている」と応酬
「地毛なのか?」尹錫悦・前大統領罷免で迎える韓国大統領選 与党の候補者たちが泥沼の舌戦 「シークレットブーツか」「眉毛をアートメークしている」と応酬
NEWSポストセブン
主張が食い違う折田楓社長と斎藤元彦知事(時事通信フォト)
【斎藤元彦知事の「公選法違反」疑惑】「merchu」折田楓社長がガサ入れ後もひっそり続けていた“仕事” 広島市の担当者「『仕事できるのかな』と気になっていましたが」
NEWSポストセブン
獄中の「地面師たち」とやり取りした手紙
【「地面師たち」からの獄中手記をスクープ入手】積水ハウス55億円詐欺事件・受刑者との往復書簡 “主犯格”は「騙された」と主張、食い違う当事者たちの言い分
週刊ポスト
お笑いコンビ「ダウンタウン」の松本人志(61)と浜田雅功(61)
ダウンタウン・浜田雅功「復活の舞台」で松本人志が「サプライズ登場」する可能性 「30年前の紅白歌合戦が思い出される」との声も
週刊ポスト
4月24日発売の『週刊文春』で、“二股交際疑惑”を報じられた女優・永野芽郁
【ギリギリセーフの可能性も】不倫報道・永野芽郁と田中圭のCMクライアント企業は横並びで「様子見」…NTTコミュニケーションズほか寄せられた「見解」
NEWSポストセブン
ミニから美脚が飛び出す深田恭子
《半同棲ライフの実態》深田恭子の新恋人“茶髪にピアスのテレビマン”が匂わせから一転、SNSを削除した理由「彼なりに覚悟を示した」
NEWSポストセブン
保育士の行仕由佳さん(35)とプロボクサーだった佐藤蓮真容疑者(21)の関係とはいったい──(本人SNSより)
《宮城・保育士死体遺棄》「亡くなった女性とは“親しい仲”だと聞いていました」行仕由佳さんとプロボクサー・佐藤蓮真容疑者(21)の“意外な関係性”
NEWSポストセブン
過去のセクハラが報じられた石橋貴明
とんねるず・石橋貴明 恒例の人気特番が消滅危機のなか「がん闘病」を支える女性
週刊ポスト
大谷翔平(左)異次元の活躍を支える妻・真美子さん(時事通信フォト)
《第一子出産直前にはゆったり服で》大谷翔平の妻・真美子さんの“最強妻”伝説 料理はプロ級で優しくて誠実な“愛されキャラ”
週刊ポスト
万博で活躍する藤原紀香(時事通信フォト)
《藤原紀香、着物姿で万博お出迎え》「シーンに合わせて着こなし変える」和装のこだわり、愛之助と迎えた晴れ舞台
NEWSポストセブン