「今日のお昼は中華定食にしよう!」ということで、雑誌『アリガット』誌元編集長の小川フミオ氏がセレクトした、『維新號(いしんごう) 銀座本店』の「お饅頭セット」を紹介する。
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中国料理の昼定食は、新橋や銀座のような激戦区では日替わりがあたり前。でも、いつでも待っていてくれるのが、『維新號』銀座本店のお饅頭セットだ。
維新號は、高級肉まんでは古い歴史を持つ店だ。1947年、50円で肉まんを販売したのが最初。カレーライスの相場が30円だったというから、いかに高価だったかわかる。上質の食材を使い、当初は価格ゆえに敬遠されても、人気を呼ぶまでがんばり通した。
それだけにこだわりは強い。銀座本店の饅頭の生地は手ごね。「1個めと200個めが同じ味になるように、生地専門の職人が朝から作っています」と店では話す。ふわっとしているがコシがある。
肉まんのあんは豚肩ロースの挽き肉に干し貝柱など。刻みキャベツを入れて甘みを出しているのも特徴だ。
そばは週替わり。10種類以上のバリエーションで、シコシコ歯ごたえのある麺と、塩味抑えめで味わい深いスープは本当にうまいと思う。小皿はそばに合わせて変わる。ランチだけのはずが、「もう終わったの?」と残念がる客が多く、いまは5時まで食べられる。
■『維新號 銀座本店』の「お饅頭セット」 1050円
【住所】東京都中央区銀座8-7-22
【営業時間】11時15分~21時半(LO)、土日祝は11時半~21時(LO)
【定休日】なし
【カード】可
写真のセットは、肉まん、ザーサイそば、そして揚げ焼売。デザートとしてライチ(果物)がつく。饅頭はほかに、あんまん、雪菜(からし菜)まん、それにお店のルーツである寧波(上海の南)名物のごまあんを使った胡麻まんと、全部で4種類から選ぶ。維新號のルーツは1899(明治32)年、現在の千代田区九段下に。日本に留学していた魯迅や周恩来も通ったという。
撮影■岩本朗
※週刊ポスト2011年2月4日号