若い歌舞伎ファンが増えつつあるなか、市川海老蔵(33)と小林麻央(28)の結婚などの影響もあり、“梨園の妻”という立場が注目を集めている。
世間が抱くイメージとしては、封建的で、「立てる、出しゃばらない、耐える」のが梨園の妻たる心得。夫を立て、決して表立ったことはしない山内一豊の妻のような内助の功をモットーに、たとえ夫が浮気をしても、隠し子がどこからか現れても、事を荒立てない。役者として一流なら何でも許すといった妻の姿を思い浮かべてしまう。
今回の海老蔵の事件について、昨年の3月に結婚したばかりの麻央の行動を疑問視する声も歌舞伎関係者からは出ていた。夫の立場を考えるなら、110番せずに、ひそかに車で病院に連れて行き、事を荒立てないほうがよかったのではないか、という批判だ。
しかし、歌舞伎研究家の喜熨斗勝さんはあれで「結果オーライだった」と指摘する。
「一般人の感覚で110番通報したのがよかった。下手に隠そうとしたら、もっと大変なことになっていたでしょうね。麻央さんは、今後も市井人としての感覚を忘れずに、新しい時代の“梨園の妻”となるように期待しています」
※女性セブン2011年2月10日号