「金正日総書記は大会に出ないのか?」
北朝鮮で4月下旬に行なわれる初のアマチュアゴルフ大会を企画・運営するイギリスの旅行会社『ルーピントラベル』には、こんな問い合わせが相次いでいる。4泊5日で999ユーロ(約10万8000円)。北朝鮮が外貨獲得のために催す大会と見られるが、意外にも応募が殺到。
「日本やドイツ、アメリカなどから200人以上の申し込みがありました。ただ、今回の定員は30人。全員お招きできないのが心苦しいです」(ルーピントラベル社)と嬉しい悲鳴をあげている。
会場となる『平壌ゴルフ場』は、91年に創設された北朝鮮唯一のゴルフ場。金総書記が“初めてのラウンドで、11回のホールインワンを含む38アンダー、34の世界記録を樹立した”との伝説が喧伝されている(ちなみに、ギネス記録は石川遼の持つ12アンダーの58)。このゴルフ場でラウンドしたという韓国人男性に話が聞けた。
「裏方の献身ぶりはまるで喜び組です。キャディは金日成総合大学などの女子大生が大半で、若くてキレイ、気配り上手。でも、クラブハウスでの食事は寂しいものでした。冷麺が出たんですが、味がまるでなく、ゴムを噛んでいるよう。皆、韓国から持ってきたお菓子で空腹をしのいでました」
キャディは20~30代女性が約30名ほどで、成分(北朝鮮における身分)の良い女子のみを選抜しているのだとか。前出・男性が続ける。
「ただ、プレー後に韓服を来た女性がシャワールームの前でタオルを持って待機してて、驚きました。こっちは裸でしたから……もしや、さらなるサービスがあるのか? なんて期待してしまって(笑い)」
結局、男性が期待した“19番ホール”はなかったとのことだが、肝心のコースそのものは不評のようだ。
「フェアウェイは砂が多くて砂利道といったほういいぐらい。グリーンも整備されていないため、遅い芝になっていました。普段100をきって回る人がOBを連発し、130も叩いてましたから」
こんな難コースで世界記録を樹立した将軍様、さすがである。
※週刊ポスト2011年2月11日号