【書評】『純平、考え直せ』(奥田英朗/光文社/1470円)
埼玉出身、新宿歌舞伎町の下っ端やくざの純平は、粋な兄貴に憧れ男を磨いている。そんな彼に親分からヒットマンの依頼が。〈「やらさせてもらいます!」声を大きくして言い直した。(中略)答えながら全身が熱くなった。これで男になれる。本物のやくざになれる〉。実行前の3日間、小遣いをもらって自由に過ごす純平だが、その間に様々な出会いがあり、やがて純平の計画がネット上でも話題に……。可笑しくも切ない21歳の青春物語。
※週刊ポスト2011年2月11日号