いま、干し野菜が話題です。料理のバリエーションが広がるだけでなく、栄養面でも節約面でもうれしいことがいっぱい。しかも、家のベランダですぐにできるという手軽さ。ビギナーが知っておきたいポイントと、始めてる人にも役に立つ干し野菜レシピをお届けします。
「野菜は日光に干すだけで甘みと旨みがギュッと凝縮されます。調理するときに味付けがほとんど必要なくなるほどです」というのは、『つきじ常陸屋 干し野菜研究室』室長で『干し野菜は太陽の味』(つきじ常陸屋発行)著者・ゆきさん。
干すと保存性もアップ。おまけに栄養的にもいいことがいっぱい。栄養ケアシステム研究所の馬場真佐美さんによれば、「水分が減ることでかさが少なくなり、少しの量でも鉄分、カルシウムなどのミネラルを効率的に摂取することができます。食物繊維も取れるので便秘解消の効果も期待できます」とのこと。
大根やきゅうりに含まれる旨み成分のアラニンは生より干すことでアップ。骨粗しょう症予防によいというしいたけのビタミンDは干すことで100倍にも増えるのだ。
野菜を余らせないという点で節約効果もアリ。使い切れない野菜は干せば保存できる。節約アドバイザーの武田真由美さんは、お財布がピンチのときにも干し野菜が役立つという。
「大根などは干すことで食べやすくなり、食材を無駄なく使えます。火の通りが早くなるので調理時間が短くなり光熱費の節約にも」(武田さん)
干し方のコツは、野菜は洗って水分をふき取ってから切り、ザルなどに並べて日当たりのいい場所に数時間~数日間干します。干す時間や野菜の大きさによって半生~カラカラの乾燥状態にできます。風通しをよくしたいので、下にキッチンペーパーなど敷かないように。保存期間は季節によって変わるのでカビが生えないように様子を見ながら保存して。
雨が少なく湿度が低い冬は、野菜を干すのにぴったりの季節。いまこそ“干し野菜”生活をはじめてみませんか?
※女性セブン2011年2月17日号