「アジアのファッションや文化を日本がリードする」――これに反論するのが日本と韓国を行き来している韓国人商社マンが言う。
「最近、若い子たちが日本のポップカルチャーがつまらないと言います。確かに、私も日本へ来ても驚くようなものを目にすることがなくなった。歌ではKARAや少女時代など韓国発のグループがアジアを席巻している。アジアではAKB48よりもはるかにスタイリッシュで人気があることを韓国人は知っていますし、かなり自信を持っています」
最近、日本人留学生が増えている中国でも、日本人の評価は下がる一方だ。ノンフィクションライターの安田峰俊氏はこう指摘する。
「広東省で日本人留学生の担当をしていた中国語教師が“日本人のイメージが変わった”と言っていたのが印象的です。日本人は与えた課題はこなすがそれ以上自分の頭で考えない傾向にあるそうです。
そして語学力がとにかくない。その教師は、中国の中学校で習うレベルの英語で説明したけれど全然伝わらなかったそうです。“なぜ国外に出てくるのかさっぱりわからない”と言っていました」
語学力だけでなく、やる気もないことがより悪評を呼んでいる。日本人留学生が中国人学生に悪影響を与える存在として煙たがられているのだ。
自身も中国の大学に留学した経験があり、現在は中国でIT系の会社を経営する増満工将氏はこう言う。
「日本人留学生はオシャレで確かに目を引きます。それが真面目な中国の学生にインパクトを与えつつ、授業はサボりがちで、クラブやKVK(カラオケ)通いにうつつを抜かしているケースも多いのです。
一方、韓国人留学生はサムスンなど企業から来ているのでモチベーションが全然違います。日本人の“ゆとり”的学習態度は歓迎されていません。単なる金づるとしか思われていないのが実情です」
中韓の肉食系若者にここまで言われる草食系たちよ。「オンリーワン」と開き直っている場合じゃない。
※SAPIO2011年2月9日・16日号