ベストセラー『がんばらない』著者で、諏訪中央病院名誉院長の鎌田實氏は、成人病にもメタボにも効く万能食は「トマトの寒天ゼリー」だと説く。
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1年がかりで、地元、長野県茅野の寒天製造会社と新商品を開発した。
かつてこの地域は脳卒中も多く、不健康で短命、医療費も高かった。それがどうして健康で長生き地域に変貌したのか。しかも長寿になれば年寄りが多くなり、医療費も高くなるはずなのに、日本でも有数の低医療費地域になった。
その理由を聞かれると、僕は「山国で海を食べるから」と答えている。変な答え、である。
諏訪中央病院のある茅野市は、江戸時代から寒くて空気がきれいな環境を活用して、海がないのに全国からテングサを集め、寒天作りを行なってきた。寒天は食物繊維の王様である。トマトは抗酸化力が強く動脈硬化を予防する。繊維の王様と赤い色素のトマトを合体させた『トマト寒天』を奨励した結果、脳卒中はグンと少なくなり、大ブームになった。
日本中で棒寒天が売り切れ状態になるほど。このとき『トマト寒天』の作り方をずいぶん聞かれ、なんとか簡単にできないものかと考えた。
そして、ついに完成したのが、『ドクターかまちゃんの寒天ゼリー』(※注)である。熱湯を入れて1分間かき混ぜ冷蔵庫で固めるだけ。
血糖値の急激な上昇を防いでくれるため、内臓脂肪型肥満の人に効果がある。もちろんメタボリックシンドロームの予防にもなる。
また超低カロリーなのに満腹感があるので、自然と食事の摂取量が減る。数キロ痩せる人が多い。さらに便秘にも効果があり、大腸がんも少なくなる。肌がキレイになる。糖尿病の方にもいい。いいことずくめだ。
(※注)商品は3種類、6人分セットで1000円。注文は0263(46)4218
http://jcf.ne.jp/index.html/へ。
※週刊ポスト2011年2月18日号