その手で乳房のあらゆるトラブルを解決し、母乳育児に悩む母親の救世主として「おっぱい先生」と慕われるのが助産師の武田一子氏(78)だ。
そもそも、人それぞれ顔が違うように、乳房の形や大きさもまた女性一人ひとりによって異なる。
「乳房の大きさは、乳房に蓄えられている脂肪の量によって決まるのです。この脂肪は母乳を作りだす乳腺や、母乳が通り道とする乳管をクッションのように取り囲んでいるのです。妊娠中のお母さんからよく“自分は胸が小さいから、おっぱいが出ないと思う”と聞かされますが、心配はいりません。母乳は乳腺で作られますから、母乳の量と乳房の大小はまったく関係がないんですよ」
乳頭や乳輪もまた、女性の数だけ個性がある。
「形や大きさ、色などもまた人それぞれです。乳頭が大きい、小さい、平ら、陥没している。乳輪の直径が狭い、広い。色がピンクでも黒っぽくても、もちろん母乳には影響がありませんよ。乳頭と乳輪は乳房の中でも色が濃くなっていますが、これは生まれて間もない赤ちゃんがおっぱいを見つけやすいように色がついたのだともいわれています。妊娠中には黒くなっていた乳頭や乳輪も、産後2か月もすると、だんだんピンク色に変わっていきます」
※週刊ポスト2011年2月18日号