毎年12月に「総会」が開かれる名球会。その席上で昨年、“爆弾発言”が飛び出した。野茂英雄氏(元近鉄、ドジャースなど)が、「名球会は結局、何をするための組織なのか。もっと社会貢献に力を入れるべきではないのか」といった趣旨で口を開いたのだ。
企業宣伝色の濃い日本プロ野球とは違い、地元密着型のMLBでは、どの球団も地元の病院や施設への慰問や寄付、野球教室の開催など社会奉仕活動を積極的に行なっている。
一方で、日本のプロ選手・OBはどれだけ社会に貢献しているか? 中には投球数に応じてワクチンを寄付する和田(ソフトバンク)や、盗塁1個につき車椅子1台をプレゼントしていた赤星(元阪神)など選手個人の活動例はある。だがMLBにはないOB団体がありながら、その活動の具体的な内容はあまり知られていない。
名球会は目的を、「恵まれない人たちへの利益の還元と日本プロ野球界の底辺拡大に寄与する」と謳っている。名球界ゴルフは「チャリティ」と銘打たれており、オークションの収益金や罰ゲームで支払うポケットマネーを寄付に回しているが、世間からは「ゴルフばかりやっている親睦団体」と見られていることも事実だ。
「野球教室にしても、スポンサーが付き、参加した会員には50万円のギャラが出る。しかも若い会員は、各々が芸能事務所に所属するケースが増え、自由に参加できない」(前出の球界関係者)
※週刊ポスト2011年2月18日号