メールという物的証拠が出てきて、ようやく重い腰を上げ、新聞、テレビも大騒ぎし始めた大相撲の八百長問題。しかし、この問題は約50年前から提起されていた。
【石原慎太郎都知事が八百長糾弾!】
1963年9月、秋場所千秋楽。前場所まで休場していた横綱・柏戸が、横綱・大鵬との全勝対決を制して、劇的な復活優勝を果たした。これに対して、当時、作家だった石原慎太郎氏(78)は、新聞のコラムで「見る人間が見ればわかるよ、相撲協会さん」「あの勝負をまともに納得するのは子供くらい」と、協会が主導して柏戸を勝たせたと痛烈に批判した。その後、協会は石原氏を告訴したが、石原氏が謝罪して和解。
【告発者が突然の病死】
『週刊ポスト』誌上で、元大鳴戸親方とタニマチの実業家・橋本成一郎氏がともに実名で「協会に蔓延するマリファナと八百長」「千代の富士の2000万円八百長相撲」など、八百長のみならず、年寄株の売買の仕組みなど、角界の暗部を洗いざらい暴露する連載を始めたのは1996年2月。
それからわずか2か月後、連載は14弾でストップ。ふたりは同じ日に、愛知県内の同じ病院で、同じ肺炎で亡くなってしまったのだ。何とも不自然な死で、さまざまな憶測を呼んだ…。
【『週刊現代』裁判】
『週刊現代』が2006年の九州場所で全勝優勝した横綱・朝青龍は全15番中、ガチンコは4番だけだったと告発。同誌によれば、朝青龍は横綱になる前から八百長を行っていて、1番80万円ほどで星を買っていたという。
協会と力士30名は、発行元の講談社と記事を書いた武田頼政氏に対し、名誉毀損で約7億3000万円の損害賠償請求訴訟を起こした。昨年10月、4400万円の賠償を命じる判決が確定し、このときは講談社側が敗訴した。
※女性セブン2011年2月24日号