特別養護老人ホーム(特養)にはユニークな取り組みで注目されるものもある。「『昭和横丁』で若かった頃の記憶を甦らせる」というのが、高知県高浜市の高浜安立荘だ。
この特養で実践されているのが、「回想法」という認知症のケアだ。若かった頃の生活環境に触れて記憶を呼び覚ますというもので、認知症の予防や症状の進行を遅らせることができるという。
そのため、2007年に施設内に昭和20年代の街並みを再現した「昭和横丁」を開設。当時の資料を展示し、昔懐かしい駄菓子屋、小学校の廊下、街道などを再現している。浴場も暖簾から脱衣室まで昔の銭湯風に改装し、壁に描かれた富士山を見ながら入浴を楽しめる。
※週刊ポスト2011年2月18日号