中国人不法移民が大量に溢れ出ている。溢れ出る先は日本や韓国など近隣のアジア諸国にとどまらず、南北アメリカ、ヨーロッパ、アフリカ、オーストラリアと、地球の隅々にまで及ぶ。彼らの多くが密航や偽造パスポート、なりすましなどで不法に相手国に入国し、行く先々で文化衝突を繰り返し、犯罪を撒き散らしていると評論家、黄文雄氏が警告する。
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来日外国人の犯罪の中で、中国人の検挙件数が突出しているのは周知の事実だ。「2010年警察白書」によると、2009年の中国人の検挙件数は1万2572件(全外国人の45.2%)、検挙人員は4812人(同36.3%)にのぼる。
こうした傾向は日本に限ったことではない。韓国でも、2009年に検挙された外国人犯罪者は2万3344人で、前年に比べると13.2%増加し、国籍別に見ると中国人が1万3427人で実に57.5%を占めた。同国に就労目的で不法滞在する中国人は8万人超。昨年10月にはイタリアの豪華客船で済州島を訪れた中国人ツアー客が集団失踪するという事件も起きている。
一方、移民大国アメリカに密入国する中国人は年間約50万人と推定される。2010年1月のハイチ大地震の際、現地に滞在中の数百人の中国人の安全が懸念されると報じられたが、彼らは中南米に潜行している不法入国者で、最終目的地は北米大都市のチャイナタウンだった。
そのチャイナタウンで最も規模が大きいのがニューヨークとサンフランシスコだ。ここでは中国人による抗争、恐喝、暗殺、殺人事件が頻発しており、サンフランシスコでは2008年1月、10件、100人規模の中国人売春組織が摘発された。チャイナマフィアはイタリア系マフィアにとって代わる存在になりつつある。
南米にもチャイナマフィアの勢力は拡大しており、中国移民の巻き起こす凶悪犯罪が後を絶たない。南米のチャイナマフィアのボスはブラジルのサンパウロを拠点とし、毎年年末になると、みかじめ料を要求する。払わないと店を壊されたり、店主が殺されたりする。その勢力は国境を越え、たとえばペルーのリマにある2万~3万軒の中華料理店も取り立ての対象になっていると聞いた。
またアルゼンチンには台湾系の移住者が3万人から5万人いたが、マフィアの過酷な取り立てに耐えられず北米に逃亡、残っているのは1万人ほどだ。数年前にブエノスアイレスの貴金属店に立ち寄ったことがあるが、店内にはカービン銃が置いてあり、「中国人に注意」と書かれた紙が張られていた。
※SAPIO2011年2月9日・16日号