あのハンカチ王子フィーバーから5年。大学時代には「持ってるものは仲間です」という名言を残し、日ハムのキャンプには3000人のファンまで集まり、ますます人気上昇中の北海道日本ハムファイターズの斎藤佑樹投手(22)。
関東地方のあるスポーツ公園「第3野球場」。快晴の空の下、少年野球チームの小学生たちが、練習に汗を流している。ネット裏では付き添いのママたちが、子供そっちのけでおしゃべりの真っ最中。少年野球ママたちからはこんな発言が飛び交っていた。
ママA:「実際のところ、佑ちゃんて実力はあるの?」
早大時代の斎藤の同級生をママ友に持つCがそれに答える。
ママC:「友達は“早稲田には佑ちゃんだけじゃなくていい選手はたくさんいたから優勝したのよ”っていってるわ」
ママB:「誰?」
ママC:「私が聞いてるのは同じピッチャーの大石くん(大石達也投手=22才。埼玉西武ライオンズに1位指名で入団)と福井くん(福井優也投手=23才。広島東洋カープに1位指名で入団)」
ママA:「でも、エースは佑ちゃんだったでしょ?」
ママC:「だからいつも第1戦に先発してたらしいんだけど、大学最後の試合(明治神宮野球大会)は、福井くんが先発、次に大石くん、最終回に、いつもは先発の佑ちゃんが出てきて、3人が力投したから優勝、大学日本一になったんだもんね」
この試合直後に斎藤の口から飛び出したのが、有名な、「何かを持っているといわれ続けてきました。今日、何を持っているかを確信しました。それは仲間です」というあの言葉。
ママA:「上の子がいうのよね。“プロでの実戦経験もないのに、『持ってる』なんていって、大丈夫なの”って」 ママB:「ほんとよ、ね」 斎藤、大石、福井の実力について、プロ野球のスカウトのひとりはこう見る。
「3人の中でいちばん、将来性を買われているのは大石。最速155キロの速球は即戦力です。ただ、コントロールとスタミナに難がある。その点、斎藤と福井には制球力があって、先発として試合の流れをつくることができた。しかしそれは大学レベルの話で、プロでやっていけるかどうかは、これからでしょう」
※女性セブン2011年2月24日号