時給620円から会社の幹部に――こんなシンデレラストーリーを実現したのは、西武クレジット(現・クレディセゾン)に39才でパートとして入社し、その19年後に同社取締役にまで出世した、横井千香子さん(63)だ。
横井さんは1日4時間勤務、時給620円の電話対応の仕事から始めた。当時、横井さんの仕事はクレジットの支払いが遅れた顧客に催促の電話をするのが主な役割だった。
「初日は電話でしどろもどろになってしまい、お客様からすごい剣幕で怒鳴られて辞めようかと思いました」(横井さん)
しかし夫に励まされて仕事を続けると、徐々に世話焼き主婦の力を発揮。顧客の悩み相談にまでのるような親身になった対応で成果を上げていき、2年後にはスーパーバイザーに昇進した。その人望が評価され、正社員やパートを教育するトレーナーの仕事もするようになった。
54才のときには立教大学大学院に入学し、2年後には経営学修士(MBA)を取得。取締役を経て、現在はグループ会社のキュービタスで顧問を務める。
「まずは与えられた仕事を一生懸命こなすこと。そのうえで笑顔でいれば、自然と周りに人が集まってきて手助けしてくれます」(横井さん)
※女性セブン2011年2月24日号