スキンケアの基本といえば、しっかり泡立ててW洗顔できっちり汚れを落として…のはずだったが、“洗顔料でゴシゴシ洗わない”洗顔法がいま注目を集めている。
『「泡洗顔」をやめるだけ!』(講談社)が話題の美容家・オーガニックコーディネーターの吉川千明さんはこういう。
「スキンケアの基本は洗顔です。メイクや汚れが残っていたらニキビや吹き出物のもとになり、老化を早める原因にもなるので、もちろんしっかり落とすべきです。ただし、同時に肌の水分を保つのが正しい洗顔法。決して“さっぱり”させてはいけないんです。
というのも、肌は自身でうるおい成分をつくり出し、乾燥などの刺激から守っています。メイクや汚れを落として清潔に保つことは必須ですが、朝、自然のうるおい成分に満たされた肌を、強い洗浄成分で洗い流すことでマイナスのスタートになってしまいます。朝はぬるま湯で軽く流す程度で、肌は自然な美しさが保たれます」
メイクを落とすときに毛穴の中の汚れが落ちているか不安になり、ついゴシゴシ洗ってしまう人にも吉川さんは警鐘を鳴らす。
「よく毛穴の汚れまで落としたほうがいいとかいわれますが、実際には毛穴の中に汚れがはいり込むことはありません。ただ汚れが残ると毛穴にふたをして、ニキビやくすみの原因に。メイクや汚れは、油分のあるクレンジング剤を丁寧になじませて溶かすことで充分きれいに落ちますよ」
巷では、美肌づくりには“角質除去”が不可欠だといわれているが、吉川さんはこれは大きな間違いだと指摘する。
「肌の表面の角質をそぎ落とそうとして洗浄力の強い洗顔料で繰り返し洗ったり、ピーリング剤を使うと、かえって肌を傷めてしまいます。角質を落としすぎると、カサカサに乾燥して肌トラブルが起きやすくなります。肌の美しさは、じつは角質層の美しさなんです」
角質層の上を覆う天然の保湿クリーム、そして角質層が持つNMFと呼ばれる天然の保湿成分のおかげで、肌には自然なつやが生まれるのだという。
「私のクリニック目白」の平田雅子院長(皮膚科)も顔を洗いすぎることの危険性をこう指摘する。「皮膚を洗いすぎると、皮脂がとれてバリア機能が落ちてしまいます。そのため、外から刺激になるものが侵入しやすくなり、炎症を起こしやすくなります」
※女性セブン2011年2月24日号