1603年、徳川家康の全国道路網整備計画により誕生した日本橋。以来、江戸、東京のランドマークとして愛され続け、20代目となる現在の石造二連アーチ橋になってから4月で100周年を迎える。
橋の補修工事に続き、年末には高圧洗浄で橋はピカピカとなったのだが、その橋を川面から眺めてみると意外なことがわかる。
橋の中央部にある橋脚には関東大震災の時についた大きな焼け跡を発見できる。修復は可能だが、歴史的価値を考慮し焼け跡はそのままに残されているんだとか。さらに橋脚には、プレートがはめ込めそうな長方形の窪みがあるが作られた目的は謎のままだ。
今回の補修・洗浄に加え、3月には近くに船着き場が完成するなど、日本橋の浄化・活性化活動はさらに続く。
「関東大震災や東京大空襲でも壊れなかった橋ですが、1963年に橋の真上に首都高速道路が建設され、美しい景観が損なわれたことが唯一最大の打撃。いつの日か道路が移設され、あの橋に陽が注ぐ姿を取り戻したいです」(名橋「日本橋」保存会事務局・永森昭紀氏)
日本橋をより美しく、という思いはしっかりと受け継がれている。
撮影■渡辺利博
※週刊ポスト2011年2月25日号