そうだ、今日のお昼ご飯はちゃんぽんにしよう! ということで、雑誌『アリガット』誌元編集長小川フミオ氏がセレクトした『金葉亭』(東京・赤坂)の「ちゃんぽん」を紹介します!
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中国料理のタンメンのようでいて、タンメンでない。スープも麺も、もっとやさしく、かつ食べ飽きない。それが長崎で生まれたちゃんぽんだ。
東京・赤坂「金葉庭」は中国料理店だが、ランチで出すのはちゃんぽんと皿うどんのみ。野菜たっぷりの具材が載ったちゃんぽんを求めて、開店前から人が並ぶ人気だ。
ちゃんぽんは中国・福建省の料理が日本に伝わったものといわれるが、もはや立派な日本の料理。守られているのは唐灰汁(とうあく)という混合炭酸塩を混ぜて打たれた麺を使うこと。
この麺は長崎でしか作られないため、東京だと麺の量が十分じゃないこともある。金葉庭がいいのは、うどんともラーメンとも違う、ちゃんぽん麺をたっぷり堪能できること。かつ、スープは鶏ガラ主体なのでしつこくなく、飲んでも、塩味、甘み、酸味に、ぴりっとコショウが効いていて飽きない。最後にサービスでついてくるライスを投入して食べる常連も。「昼と夜に食べにくる方もいる」というのもわかる気がする。
九州の料理は、刺激が少なくてやさしい。ラーメンに疲れたら、絶対にちゃんぽん。からだに染み通る一品だ。
■『金葉亭』の「ちゃんぽん」850円
【住所】東京都港区赤坂3-7-9
【営業時間】11時半~14時半(土は12~14時)、18~21時半(土は18~20時)
【定休日】日祝
【カード】不可
昼はちゃんぽんと皿うどんのみ。夜は中国料理。主人の弥永馨さんの腕はしっかりしている。取材のときも、豚の角煮の仕込み中で、山椒のいい香りが店内に漂っていた。新宿・歌舞伎町で10年やったあと、2003年から赤坂で開店。夜もちゃんぽんを食べられるが、「麻婆豆腐(830円)」や、オリジナルの「牛肉とジャガイモのカレー風味(1100円)」なども人気が高い。タレントやアナウンサーにも常連が多い模様。
撮影■河野公俊
※週刊ポスト2011年2月25日号