少し前まで、ゲームセンターといえば若者のたまり場だった。だがいま、目立つのはシニアたちの姿。
ゲームセンターに集うシニアたちは、「お金をそんなにかけなくても、スリルと快感が味わえる」「指先のかすかな動きと、タイミングを読む目の動きなどが頭の運動になる」「クレーンゲームがうまくできなかったときに、若い人が教えてくれて…」とその効用、楽しさを話してくれた。子供や孫と一緒に来る人たちも多く、意外なコミュニケーションの手段にもなっている。
「もうすぐ還暦よ」というAさん。「私は近所の食堂で働いてるんですが、娘が“おもしろいところがあるよ”と連れてきてくれたの。毎日通ってます」とメダルを多数ゲットしていた。
これに対して店側も「ご年配のお客さまのためにマッサージチェアを設置したり、近隣の老人ホームへの営業活動などを考えています」(『ゲームパニック東京』井上店長)と積極的な姿勢を見せる。増え続けるシニア世代にとって、安心してすごせる新しい居場所をこんなところに見つけた。
※女性セブン2011年3月3日号