この25年間で裁判になる相続トラブルは倍増。さらに4月からの相続税改正を控えて、以前に比べ、相続について真剣に考える人たちが増えてきた。
昨年以来、遺言書キットやエンディングノートがヒットし、心身ともに衰える前に身辺を整理する「老前整理」や人生の最期を迎える準備をする「終活」が注目を集めている。
相続も例外ではなく、温泉地での1泊2日のセミナーで遺言を書き上げる『遺言ツアー』が活況を呈している。参加者は毎回10人ほど。講師となる行政書士や心理カウンセラーなどの専門家から相続のルールを学べるのが魅力だが、参加者の目的はもっと別のところにあるという。
「ツアーではまず、気持ちを整理するための “心の棚卸し”セミナーがあります。相続は気持ちが反映されるもの。相続において自分が何をどうしたいのか、大切な人は誰なのかをじっくりと考えてもらってから個別面談をします」(ツアーを企画するプレス・サリサリコーポレーションの松原宏子さん)
参加者は50~70代。全員が同じ目的で参加しているので「お宅はどうですか」「ウチは次男がネックで…」と会話も弾む。親子連れの参加もあるほどで好評を博している。
※女性セブン2011年3月3日号