自己破産の原因となる多重債務者の救済などを目的とした改正貸金業法施行から8か月、専業主婦たちが“借金難民”と化している。クレジットカードさえあればキャッシングできた状況が一変し、簡単にはお金を借りられなくなってしまったのだ。
そのため、借金返済に苦しむ主婦がヤミ金とは知らずに融資を受けてしまうケースも出てきている。不況の影響で夫の給料が下がったことがきっかけで、2~3年前から消費者金融からお金を借りていたというのはAさん(35)。
「幼稚園と小学生の子供がいるんですが、学費などで出費が重なり、消費者金融のATMを利用したのがはじまりです。それから、生活費が足りなくなるとちょこちょこと借りて補填していたんです」
一度に借りる額は数万円から多くても10万円程度だったため、危機感は薄かった。
「ところが総量規制で、お金を借りられなくなってしまった。しかも、クレジットカードのキャッシングができなくなり、返済もできない。どうして、どこも貸してくれないの?というくやしい思いでいっぱいで…。借金のことは夫には内緒だったので、自分でなんとかしなくては、と必死でした」
そんなときインターネットで簡単に融資が受けられるサイトを発見した。
「審査が甘く多重債務でも借りられるとあって。最初、業者から連絡があり『まずは信用を作るために2万円貸すので、1週間後に3万円返してください』といわれました」
Aさんは、業者のいいなりに借金。そのうちに別の業者からも営業の電話がかかってくるようになり、気がつけば2か月で18社から44万円の借金をするハメに。
「いま思えば最初の業者がヤミ金だったんでしょうね。どんどん借金させられ、借りたのは44万円なのに返済額は80万円以上に膨れあがっていました。でも、もうどうにもならなくなって…」
返済が滞るAさんに業者は追い打ちをかける。借金のことを“夫にバラすぞ”と脅してきたという。
「悩んだ末、夫に打ち明け、司法書士に相談して解決してもらいました。夫が理解を示してくれたので離婚せずに済んだのが不幸中の幸いです。生活は苦しいですが、もう借金はしたくないです」
※女性セブン2011年3月3日号