KARAや超新星など、韓流ブームを牽引する人気グループが整形についてオープンに話し、一般人もまた、メイクやエステ感覚で美容整形を施す。それほどに韓国では整形が市民権を得ているのだ。
では、なぜ韓国でこんなにも整形が盛んなのか、日本からの整形ツアーを企画する『アイピーエス・コリア コンサルタント』の日本担当マネジャー、チョウ・ウンエさんが説明する。
「韓国人は美に対する意識が極端に高いんです。例えば、顔のほくろなんて、日本人はあまり気にしませんが、韓国人にとっては顔のゴミ。かなりの人がほくろをとってしまいますよ。こんなお国柄なので、高校3年生の男女の半数近くが、大なり小なり整形経験者。ある意識調査では、全人口の70%が、整形が必要だと答えているんです。“整形をしたら、人にどう思われるか”という感情よりも、“自分がどうなりたいか”が重要と思う女性が多い。いずれにしても整形は盛んですよ」
韓国でも昔は、結婚して生まれた子供が親に全然似ていない、という事態を避けるために、互いの“素の顔”をちゃんと見きわめてから結婚しなくてはならない、という認識だった。しかしそれがいまは、「子供がきれいじゃなければ、整形させればいい」という話になるという。
こんなデータもある。2009年、就職情報会社が企業の人事担当者約250人を対象に行ったアンケートで、66.7%が「容姿が採用に関係する」と答えたことが、朝鮮日報で報じられた。テレビ局への就職を目指し、あごを細くする手術を受けた女子大生のキム・ヘイさん(22・仮名)は、きっぱりこういった。
「実力だけで希望の仕事に就くのは厳しい。見た目をよくするのも就職活動の一環」
実際、韓国では“就活整形”の広告が地下鉄構内に大きく張り出されていたりする。さらに、韓国在住美容ジャーナリストはこうも語る。
「リストラされないためにと、中年男性が整形をする場合もあります。人は見た目が9割という言葉が日本で流行りましたが、韓国人はそれ以上ですね。進学、就職、婚活など人生の各ステージにおいて美は何よりも重視されるといっても過言ではありません。韓国では、整形を漢字で成形と書きますが、そこには整形が社会における成功を表すという意味も含まれていると思います」
※女性セブン2011年3月3日号