フリーやインターネットの記者らが作る自由報道協会主催の記者会見には、これまで小沢一郎氏が2回、堀江貴文氏が1回呼ばれてきた。そして2月21日の会見には、尖閣ビデオを流出させた「sengoku38」こと一色正春・元海上保安官が登場。同協会の暫定代表を務めるジャーナリストの上杉隆氏はこう語る。
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一色氏は『週刊朝日』で私(上杉)のインタビューに対し、
「マスコミ各社が『国家機密』と言っているものをこぞってバンバン流し、一方で、これは犯罪行為であると報じている。本当に犯罪行為であれば、マスコミ自らが犯罪の被害を拡大していることに気が付かなかったのでしょうか」
と、非常に的確な指摘を投げかけました。一色さんのように、今後も既存メディアの報道では実像が伝えきれなかった人々を中心にお呼びしたい。
記者会見を開くのは正直、カネと労力、時間がかかります。会場も設備も警備も用意しなければならないので、自分たちの資金と寄付で賄っています。ところが記者クラブは、それらをすべて無償で省庁から提供されている。中央省庁の記者会見場・記者室の賃料や経費を試算すると、年間13億円以上にものぼります(上杉隆・著『記者クラブ崩壊』小学館刊参照)。
これらはすべて国民の税金ですから、記者会見が記者クラブだけに独占されているのは明らかにおかしいのです。
※週刊ポスト2011年3月4日号