既に報じられているように、警視庁組織犯罪対策5課が小向美奈子(25)に対し、覚醒剤取締法違反容疑(譲り受け)で逮捕状を取っていたとの一報が日本中を駆け巡ったのは、2月8日のこと。以来、小向について「マニラへ逃亡?」「滞在期限切れのフィリピンでの行方は?」「執行猶予中に覚醒剤購入か?」。さらには「フィリピン入国管理局が“指名手配”」とも報じられた。
だが、過去に幾度も小向の取材を重ねてきた本誌には、こうした一連の報道に少なからぬ違和感を覚えた。というのも、今年の1月4日、本人から「もうすぐマニラに行って、英語とダンスの勉強を本格的にするんです」――そう聞かされていたからである。逮捕状が出たとされるのは、1月下旬。“逃亡ありきのフィリピン滞在”ではないのでは、と感じたのだ。
マニラへ飛んだ記者は、フィリピン人女性の自宅で小向と落ち合い、取材する機会を得た。白いドレスに黒いピンヒールを履いて現われた彼女はだいぶふっくらしていたが、表情は暗く、顔は強ばり、憔悴しきっていた。以下、小向との一問一答である。
――フィリピンに入国した1月21日から今まで、何をしていたのか。
「まず、語学学校に行きました。私は以前、外国人の彼氏と交際していたので英会話には自信があったんです。ところが、学校の試験の結果、『あなたは“レベル1”のクラスになります』と告げられた。レベル1のカリキュラムは英語で自己紹介ができる程度になることで、幼稚園児と同じような授業が60時間もあると聞かされたので、ショックでした。
あと、ポールダンスのスクールにも行きました。ストリップでダンスのレッスンを受けていたから、ここでもそれなりの自信を持っていたのですが、先生にはまだまだだっていわれてしまって」
――最初、逮捕状の話を聞いたときは?
「まさに寝耳に水でした。『は? 何いってくれてんの?』と不機嫌になってしまったくらい。そもそもフィリピンに1年は滞在する予定でそのために昨年からお金を貯めてましたから。気がついたら、頬が涙で濡れてました。頭はパニックだった。事務所の人に『泣いて済む話じゃないから、しっかり聞きなさい』とたしなめられても、なかなか受け入れられなかった」
※週刊ポスト2011年3月4日号