新興市場は6年サイクルを繰り返すと言われている。前々回のピークは2000年、前回のピークは2006年だった。とすれば2012年のピークに向けて2011年には新興株が大きく駆け上がることが予想される。投資情報サイト「東京IPO」の編集長で新興市場に精通する西堀敬氏が狙い目の新興株を解説する。
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新興株でも、どのような銘柄を狙うべきなのか。 まず、為替相場や金利、グローバル景気の動向は今後もすぐに不透明感は拭えないので、その影響を受けにくい銘柄がいいだろう。また、エコカー補助金の廃止や家電エコポイントの縮小などの悪影響は今後1年間ぐらいは続くと思われる。そのため、そうした個人消費の中軸になる耐久消費財に関係ないロングテールビジネス関連が注目される。
さらに2011年の大きな相場テーマは、やはり「SNS(ソーシャルネットワークシステム)関連」、「スマートフォン(多機能携帯電話)関連」、そして「タブレット端末関連」などが挙げられているが、実際にそうしたセクターに投資資金が流れると確実視される。したがって、そうした銘柄群からピックアップしていけばいいだろう。
具体的には、スマートフォンやタブレット端末の市場拡大の恩恵が顕著だと思われる銘柄として、オンラインゲーム大手のガンホー・オンライン・エンターテインメント、世界的な技術を有するコネクターメーカーの第一精工、データセンター大手のビットアイルなどがまずは注目だ。
それから、景気回復によりネット広告出稿増などの恩恵を受けそうなサイバーエージェント。経営再建中の日本航空の代替効果と、割安運賃航空会社(LCC)としての成長性から大幅増益が予想されるスカイマーク。
さらに、海外からの資金流入が拡大していることや、日銀のJリート(不動産投資信託)買い上げという追い風に加えて、再編淘汰がほぼ終了したことによる残存者メリットが期待できる新興市場の不動産関連銘柄に注目している。一番とてつもない株価上昇パフォーマンスを示すとすれば、このセクターの可能性が高いと見ている。
※マネーポスト2011年3月号