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化粧品業界の御曹司が語る「どん底」から脱するヒント

【書評】『「感動」に不況はないアルビオン社長小林章一はなぜビラ配りをするのか』(大塚英樹/講談社/1680円)

 男性諸氏にとっては「アルビオン」という社名は耳慣れないかもしれない。だが女性は、「あの高級化粧品の……」となるはずだ。ここでミソなのは、「高級」というところ。にもかかわらず、このデフレ不況下にあって、アルビオンは増収増益を更新し続けているのだ。しかも社長は、コーセーグループの創業者の孫。つまり御曹司だ。

 その御曹司が結果を出し続けている。その裏側には、何が?

 これまでダイエーの中内、ユニクロの柳井正ら経営者の生き様を描いてきた著者は、同じようなにおいをアルビオンの社長小林章一に感じ取る。本書は、小林章一の成功の秘密に迫ったインタビュー本だ。

 小林の語る、不景気の理由。

〈それは、えんえんと過去の延長線上で仕事をしてきたからです〉

 サラリーマンにとっては、耳の痛い話も多い。だがこの刺激的な本書には、どん底から脱するヒントがたくさん詰まっている。

※SAPIO2011年3月9日号

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