国内

就活ナビサイト「当社は学歴フィルターない」記述に削除依頼

 学生たちは就活の「答え」をどこに見出せばいいのか、もがき苦しんでいる。しかし、彼らの思いとは裏腹に、企業側の採用担当者たちは、「学生は努力の方向性を間違えている」と感じていた。現役就活生の声を数多く知る大学ジャーナリスト・石渡嶺司氏の司会のもと、採用担当者がホンネを明かした覆面座談会で語られたこととは……。

 * * *
――公の場で言うのを避けていることってありますか?

アパレル:例えば、説明会って実は予約していた学生の7割くらいしか来ないんです。だから50人程度の会場だったら80人の応募をかける。

外食:常識ですよね。予約の5割しか来なくて落ち込む担当者もいた。

アパレル だから、抽選に外れても、例えば事前に「キャンセル待ちしたい」と連絡して当日会場に来る学生は、入れてあげることができる。

出版:そういう前向きな気持ちは「買い」ですね。

アパレル:でも、これも公言すると「抽選で外れた説明会の会場に行くと、行動力のアピールになる」とマニュアル化しそうで……。

――本当に説明を聞きたいなら歓迎。でも“ためにするアポなし訪問”は御免だと。ところで、大学名って気にしていますか? 学生は「学歴フィルター」の言葉に敏感です。

アパレル・外食:(同時に)うちはありません。

出版:うちも全くないです。総じてマスコミ系企業は早稲田OBが多いが、それは受ける学生が多いから。OBがたくさんいれば、情報収集がしやすいという意味で有利でしょうけど、結局人脈や情報をどう生かすかは学生次第です。

アパレル:ただし、採用活動全体で言えば、学歴フィルターは存在します。ここだけの話ですが、ナビサイトの中には、登録している学生のうち、大学名で選別して説明会や選考の案内を送ることができるものがあります。でも、ある企業が「うちは学歴フィルターはありません」とアップしたらサイト運営者側から削除依頼が来た。「学歴フィルターはそもそも存在しないので、そういうことは書かないでほしい」と。

外食:だったら、なぜ大学名で選別できる機能が用意されているのか、と言いたくなる。

アパレル:これは採用する側の問題です。「存在しない」というウソをつくことで、学生に勘違いをさせてしまう。有名大学の出身者なら各界にOBコネクションがあるから、そういう大学の学生しか採らない、という採用方針だってあり得る。

※SAPIO2011年3月9日号

関連記事

トピックス

10月22日、殺人未遂の疑いで東京都練馬区の国家公務員・大津陽一郎容疑者(43)が逮捕された(時事通信フォト/共同通信)
《赤坂ライブハウス刺傷》「2~3日帰らないときもあったみたいだけど…」家族思いの妻子もち自衛官がなぜ”待ち伏せ犯行”…、親族が語る容疑者の人物像とは
NEWSポストセブン
ミセス・若井(左、Xより)との“通い愛”を報じられたNiziUのNINA(右、Instagramより)
《ミセス若井と“通い愛”》「嫌なことや、聞きたくないことも入ってきた」NiziU・NINAが涙ながらに吐露した“苦悩”、前向きに披露した「きっかけになったギター演奏」
NEWSポストセブン
「ラオ・シルク・レジデンス」を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
「華やかさと品の良さが絶妙」愛子さま、淡いラベンダーのワンピにピンクのボレロでフェミニンなコーデ
NEWSポストセブン
クマ被害で亡くなった笹崎勝巳さん(左・撮影/山口比佐夫、右・AFP=時事)
《笹崎勝巳レフェリー追悼》プロレス仲間たちと家族で送った葬儀「奥さんやお子さんも気丈に対応されていました」、クマ襲撃の現場となった温泉施設は営業再開
NEWSポストセブン
役者でタレントの山口良一さん
《笑福亭笑瓶さんらいなくなりリポーターが2人に激減》30年以上続く長寿番組『噂の!東京マガジン』存続危機を乗り越えた“楽屋会議”「全員でBSに行きましょう」
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《いろんな裏切りもありました…》前田健太投手の妻・早穂夫人が明かした「交渉に同席」、氷室京介、B’z松本孝弘の妻との華麗なる交友関係
NEWSポストセブン
高市早苗氏が首相に就任してから1ヶ月が経過した(時事通信フォト)
高市早苗首相への“女性からの厳しい指摘”に「女性の敵は女性なのか」の議論勃発 日本社会に色濃く残る男尊女卑の風潮が“女性同士の攻撃”に拍車をかける現実
女性セブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン
日本全国でこれまでにない勢いでクマの出没が増えている
《猟友会にも寄せられるクレーム》罠にかかった凶暴なクマの映像に「歯や爪が悪くなってかわいそう」と…クレームに悩む高齢ベテランハンターの“嘆き”とは
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
六代目山口組が住吉会最高幹部との盃を「突然中止」か…暴力団や警察関係者に緊張が走った竹内照明若頭の不可解な「2度の稲川会電撃訪問」
NEWSポストセブン
警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
《赤坂・ライブハウス刺傷で現役自衛官逮捕》「妻子を隠して被害女性と“不倫”」「別れたがトラブルない」“チャリ20キロ爆走男” 大津陽一郎容疑者の呆れた供述とあまりに高い計画性
NEWSポストセブン
無銭飲食を繰り返したとして逮捕された台湾出身のインフルエンサーペイ・チャン(34)(Instagramより)
《支払いの代わりに性的サービスを提案》米・美しすぎる台湾出身の“食い逃げ犯”、高級店で無銭飲食を繰り返す 「美食家インフルエンサー」の“手口”【1か月で5回の逮捕】
NEWSポストセブン