投資情報会社フィスコでアナリストとして活躍し、現在はフィスコプレイス代表取締役の中村孝也氏が、これから「上がる株」として注目しているのは「スパイア」(ジャスダック・4309)だという。
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新興市場は一度上昇を開始すると、大型株を凌駕する値上がりを見せる。ただし、全体相場の勢いだけに乗じて値上がりしている銘柄ではなく、これから業績回復が本格化する銘柄にこそ株価急騰の期待が高い。その観点から、メディアレップのスパイアを狙いたい。
同社は、モバイル広告事業とメディア事業が柱だが、広告市況の回復傾向が追い風になり、低迷していた業績に大幅な改善が見られるようになった。モバイル広告事業では、市場の成長に加え、人材の成長、大手媒体の拡販が進んだこと、メディア事業では、金融関連業種や大手広告会社のメール広告発注が伸びたことなどが寄与している。
さらに、スマートフォンのカメラ画面で風景を覗くと、現実には存在しない画像や文字情報が映し出される新技術「AR(拡張現実)」が、モバイルコンテンツの新テーマに浮上していることも、同社の株価上場の牽引材料となりそうだ。
AR関連アプリの代表格とされるのが、頓智ドット(非上場)の「セカイカメラ」だが、同社は頓智ドットと資本・業務提携を結び、「セカイカメラ」の広告関連事業を開始している。2011年12月期も大幅増益期待が持てそうなことに加え、値動きが軽い銘柄でもあり、今後さらに大きく値を飛ばす可能性がある。
※マネーポスト2011年3月号